自己矛盾ターコイズ

徒然なるままに。本を読みます。

本の探し方【『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』】

お題「本の探し方どうしてる?小説でも新書でもしばらくハマった作者に飽きたり、作品をすべて読んでしまったりした時。次の本をどうやって探してますか?」

 

お題に答えてみる。

私の場合は、本を紹介するYouTubeの動画を見ることが多い。全く有名ではない方がYouTubeで読んだ本の感想を述べているような動画を料理中や寝る前の空き時間に見ることが多い。きっと「読書 感想」とでも調べれば出てくるだろう。有名どころだと「ほんタメ」などもある。

あるいは、別の方法として、知人におすすめの本を聞くということもよくやっている。幸い、大学ではさまざまな学部の人と知り合うことができた。私自身は理系ではあるが、文系の友人に聞けばその人の専門性も交えた視点で小説を紹介してくれる。

最近、花田菜々子著『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』を読んだ。これは実際に花田さんが行ったという実録小説である。今ではよく名前を聞くようになったマッチングアプリだが、著者は2013年に出会い系サイトを通して出会った人に本を勧めるというなかなかにクレイジーな体験の実録小説だ。さて、この本の面白いところは、そのようなクレイジーな体験でもあるが、実際に出会った人に合わせて紹介された本を知ることができることである。この小説内で紹介されている本は多岐にわたる。旅人のバイブルである沢木耕太郎著『深夜特急』や、近しい人とお別れした直後の悲しみと向き合える山崎ナオコーラ著『美しい距離』など。出会い系らしく、エロ目的で近づいてきた男性に勧めた本が樋口 毅宏著『日本のセックス』である。この3冊だけでも多岐にわたることが実感できる。このように、(特殊ではあるが)本を通して次の本を探すというもの、読書好きとして面白いのではないだろうか。